殴って,蹴って・・・

というと、なんだか凶暴な出来事のようだけれども、
実はキックボクシングのお話(笑)

敬愛する立教大学の山口教授から「早く来てくれない？体調悪くて・・」
とのＳＯＳを受け取って、馳せ参じました！！

事務所へ行くと顔色の悪い先生が「ほんと・・・体調悪いんだ・・」
とヘロヘロとつぶやく様子を見て、かなり過労気味であることを実感。
先生は、一月から過密スケジュールが続いていて、頭脳労働者特有の
「頭が冴えて、疲れていても眠れない症候群」(笑)を患っています。。

これは、かなり本気でケアしないと効果が出ないなぁ～と内心長期戦を
覚悟する私。ましてや、先生はいつもマッサージをお願いするほどの
全身凝りまくりのような体の人なので、私のケアに対しても、いつも
超辛口のありがたい評価をくださいます。

最初は体(筋肉)の緊張を解すための施術をして、脳をリラックスさせて
ぐっすりと眠っていただきました。タッピングをして覚醒させると
「ん？眠っていた？」と寝ていた記憶が無いような発言を・・・(笑)

傍にいた奥様が「鼾かいていたわよ。」と証言をしてくださっても
「ちゃんと聞こえていたから、意識はあったよ。」と負け惜しみ？の
ような事を仰る(笑)

いえいえ、爆睡でしたって(笑)
その証拠に経過時間を把握していないんですから。

で、これで体力が回復するかな？・・と思っていたのだけれども
予想に反して、まだ体の重さが取れきれていないご様子。
う～ん、ＳＯＳを出すだけあって、これは手強い！！

ソファに寝転んで、ぐったりしているのが本当に辛そうなので、
少し時間が経ってから血行を促進させて、体を目覚めさせる
施術を追加しました。

体の緊張をとってからじゃないと血行促進をしても効果は
出にくいので、これは想定の範囲内(笑)
でも、胃のむかつきやお腹の痛みや肩の重さがとれなかったら
口の悪い先生だけに、ボロクソ覚悟で追加のケアを行いました。

すると、土気色だった頬に赤みがさして、体の重さも取れて
随分と楽になられた様子で「流石だね、随分楽になった。
一家に一人欲しいね、友泉みたいな人。」と嬉しいような
呆れるような感想をのたまわれました。

でも確かに、体の芯に疲れが澱(おり)のように溜まっているような
感覚でしたね、先生の体は。あの状態では、しんどいと思います。

ずっと臥せって、起き上がれないような状態だったのに、急に
なんだか元気になった先生は、やおらキックボクシングで使う
パット(？かな、なんて言うのか知らない・・笑)を腕につけて
「友泉、力ありそうだから、ちょっとパンチ打ってごらん。」と
ニコニコしながら、キックBOXING指南を開始されました。

今までの、ぐだぐだ(笑)は何だったんだろう？と思いながらも
言われるままに、ジャブ＆ジャブ＆ストレートを打つ私。

「違う！違う！ストレートのときはこうやって腰を入れて
真っ直ぐに腕を伸ばす！曲げると手首傷めるよ！」と熱い指示。

内心：先生、どうしちゃったんだろう？急に元気になり過ぎ(笑)
　　　でも、まいっか。
と思いながら、何度か繰り返してジャブジャブストレートをする。

「おっ！やっぱ、力あるから違うね～！次キックしてごらん！」

内心：へっ？キックですか？
と思いながら、よっしゃ(笑)やったるで～の気分になる私。

「違う！違う！キックの足は腰で回して腕はこうして・・・」と
更に熱い指示をする先生。もう、完全に元気回復じゃん(笑)

あまり上手でない私のキックを見かねた先生は、とうとう
「友泉、ちょっとこれ持っててごらん。」と私に腕パッドを
付けさせると、「こうやるんだよ。」と言うや否や
バシッと私の腕を目がけて蹴りを入れてきた。ひょえ～！！

「きゃん！」と思わず犬のような声が出て、私の顔面に私の
腕が当たるという、なんとも情けない状況で、突然のキックに
「痛～いよ～」と、これまた情けない声を出してしまった(笑)

先生は思いっきり嬉しそうに(そう見えた)「ごめん、ごめん」と
謝ってくれましたけれど、初心者相手に酷過ぎませんか～(笑)

でも、指導を諦めない鬼教官と化した先生は、私のキック力が
「凄いね、やっぱ力あるね」と褒めたかと思うと、やおら
腕パッドをはずして、「ここ狙って蹴ってごらん」と、自分の
脇腹を指差す始末。

「えっ？大丈夫ですか、先生。蹴っちゃても？」と心配すると
「大丈夫、大丈夫、ちゃんと避けるから」と軽く受け流された。

内心：でも、ついさっきまで、疲れたって臥せっていたのに
　　　大丈夫なんだろうか、脇腹蹴っちゃって・・
と不安がよぎるが、言われたように蹴ってみた。

すると、先生は私の蹴った足を押さえて
「ほら、この体勢じゃ駄目だろ！腕は顔面を打たれないようにこう。
こっちの腕は後ろにこう。」とまるでトレーナーの口調(笑)
私は一体何者なんだろう？と不思議な感覚になりました。

更に「右足ばっかり蹴っちゃ気持ち悪いだろうから、左足でも
蹴ってごらん」と自分の左の脇腹を指差す先生(笑)
もう、笑うしかありませんわ。超回復です！！

で、へなちょこな蹴りを入れると
「ほら、力入らないだろ？」と図星を嬉しそうにのたまう。
そりゃ、初めてですから・・・ねぇ。

先生は学生時代に空手をやっていらっしゃったそうなので
格闘技には思い入れがあるようです。

先生が奥様に向かって手本を私に見せるように言うと
キックボクシングの練習に通っている奥様は、見事な
ジャブ、ストレート、アッパー、アッパーを実演(驚)
その後はキックのお手本も見せて頂きました。凄いです！

最後に先生は奥様に
「友泉は体鍛えてるから力あるよね。練習させたら上手く
なるよ。今度連れていってあげたら」とまるで有望新人を
発掘したスカウトのようなお言葉をおっしゃいました。

いえいえ、私は特に体鍛えていませんから・・・(笑)

でも、最初の「ぐだぐだ」はどこに行ったのだろうと
思う位の変貌ぶりに、改めて人間の自然治癒力の大きさを
思い知らされた出来事でした。

先生も奥様もいろんな意味で超人でいらっしゃいます！！

キックボクシング・・・はまると怖いかも(笑)