昨日は今年初めてのJ-WAYが国会記者会館で開催されました。
主催は立教大学経済学教授の山口先生で、未曾有の経済危機時代を
中小企業がどう乗り切るか、融資についてのお勉強です。
金融庁と中小企業庁という、今まで私には全く無縁(笑)のお役人を
お招きしてのダブル講演とその後の質疑応答がメインでした。
いつもにもまして多くの方のご参加があり、椅子が足りなくなる程の
大盛況振り。やはり金融庁と中小企業庁の方から直接お話を聞ける
貴重な機会ということで熱気ムンムンです。
参加して感じた事は次の三点。
一つ目はお役人のお話は全く解かり辛いということ(笑)
ただ資料は仔細もらさずという趣で万全を期したのがありあり。
金融庁の資料が35p、中小企業庁が23pという分厚さ(笑)
で、留めてあるステープラーが並の大きさじゃないのも納得です。
司会の山口先生も聴衆の反応を見ながら
「やっぱりお役人の説明はわからないということがよくわかりました」
と禅問答のような感想を漏らしていらっしゃいました。
専門家であれば「わかって当然」ということだって現場の経営者には
馴染みのない分野なんですよね。
聞いていて「わかるように説明する」という歩み寄りの気持ちが
少ないように感じました。
どちらかというと「正しく説明する」事に重点をおいています。
これは行政という立場の違いが意識の違いとなって表出していますね。
二つ目は建前と本音の違いが厳然としてあるということ
昨日お話いただいた人は「現場寄り」の表現をされていましたが
(まぁ、周りほぼ全員経営者ですから)現場からの
融資を断られたという生の声に対しては
「そんなことはないはず」とか
「そんな指導はしていません」とかのお答えが主でした。
ですが、融資基準に関しては金融機関固有の判断基準があって当然ですし
立場を変えて自分の会社を危険な目にあわせるような融資を認めるかと
聞かれると・・・・答えはNOになるのも止むを得ません。
しかし、敢えて融資を期待するのであれば
(無理が通れば道理は引っ込む、笑)、
担当者と密な人間関係を構築したり
事業にかける熱意を理解していただいたり
綿密な経営戦略を提示するなりなどの
プラスαがなければ人は動かせないのもまた事実です。
玉虫色の文言は行政者にとっては便利かもしれませんが
当事者にとっては「どのようにもとれる」曖昧さが
不安につながるのだという意識を強くもってもらえると
救われる人が増えるように感じました。
でも行政に甘えるばかりではいけません。
ある経営者は「社会保険料を納めていないのだけれど
それを理由に融資を断られるのはなんとかならないか」と
質問していましたが、これはどう考えてもウ~ンです。
権利を主張したいなら、ある程度の義務の履行は必須だと
個人的には思っていますので。
最後の三つ目は、伝えるためにはわかりやすい表現や比喩
が必要だということ。
私の知り合いに非常に有能なトレーダーがいます。
少し過激なんですが「凄いな」と思った表現を紹介しますね。
お前はこれから兵士として戦場へ行って命をかけて戦うとする。
戦場に行く前の訓練をするときに
戦う理論だけを勉強した戦闘評論家の意見を聞きたいか、
それとも
実際に戦場で戦って生きるか死ぬかの修羅場をくぐってきた奴の
いうことを聞きたいか・・・
どっちだ
というものです。
あなただったら、どちらに教えてもらいたいですか?
一見無茶な例えですが、
命懸けで戦うとなれば綺麗ごとなんて言ってられない。
やっぱり実践を積んだ人に教えて欲しいと思うのは当然です。
少なくとも私はそう思いました。
お役人の説明は評論家の域を出ていないように感じました。
でも同席していた山口先生の話は現場の意見を吸い上げて
とてもわかりやすく表現してもらえていました。
相手のレベルに合わせて話をすることも大切ですし
相手がイメージしやすいような言葉・表現を選ぶことも
大切です。
たった3時間の講習でしたが、いろいろと勉強になりました。
次回のJ-WAYは4月に開催予定です。
興味のある人はご連絡下さい。
一緒に勉強しましょう

コメント
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過激な語り口ではありますが、かなり核心を突いた発言をしてくれますよね。
元々、この方のサイトで西田先生の著作が紹介されていて、そのお陰で木村先生ともお知り合いになれました!
とても感謝です!