昨日「ハンディキャップのある人の立場からガイドへの要望」として
車椅子の人と視覚障がいの人の意見を聞かせていただきました。
車椅子に関しては、
段差昇降時の衝撃に関してや、
後ろ向きに回るときの不安、
バリアフリーの充実についてのお話でした。
車椅子の種類もさまざまで、症状にあわせて「手動」「電動」があり
機能もカスタマイズできるそうです
視覚障がいについては全盲の人がお話されましたが、
3つの点でとても勉強になりました。
一つめは「後ろから押されることの恐怖」を知ったこと
当たり前といえばそうですが、目の見えない人は前に進むことに
対しての恐怖心があるそうです。先には何かあるかわからないし、
何か飛んでくるかもしれない予想のつかない恐怖。
なので白杖をついている人には、腕や肩を持ってもらうように
差し出して自分が半身前に出て誘導するようにすると
安心して歩けるそうです
この点に関しては、最近目が見えなくなった人と、
そうでない人とでは「恐怖心の大きさに差がある」
ということも教えて貰いました。
何事も経験があるのとないのとでは、不安の大きさは
変わりますよね。
でも、私はそのような視点で考えたことがありませんでした。
電車で後ろから押したりするのは厳禁ということですね。
二つめは「言葉で説明する大切さ」を知ったこと
これも当たり前なのですが、目が見えない人にとって何があるかを
説明してもらえることは安心に繋がります。
彼の言によると「東京駅の駅員さんはとっても慣れて」いて
「前方○○メートル、段数○段の、上り階段あり」というように
階段の上り下りだけでなく、何段くらいの階段かまでの情報を伝えて
くれるそうです。
「いったいどこまで続くのだろう・・」という先の見えない不安を
解消してあげる心配りですね。
また、彼は誘導されているときでも他の情報を聞きたいそうです。
例えば、今の季節なら
「クリスマスのイルミネーションが綺麗でカップルが多いです」
と聞くと、彼は「俺も負けてらんない!」と
やる気が出るんだそうですよ。
まあ、これは人によると思いますが・・・
だまって、黙々と歩くよりはお話した方が楽しいですよね。
空に虹がかかってるとか、
北風がいちょうの黄色い枯葉を舞い上げているとか
言ってあげると、色彩に満ちたイメージができます。
言葉は大切です。
そして三つ目には
「障がい者にはそれぞれの個性があるから、
その人に合わせてガイドする気持ちが大切」
と知ったこと
彼は最後に
「今まで言ったことは、僕がそうして欲しいことだけれど
他のみんながそうとは限らない。
たとえば右に立ちたい人もいれば、左に立ちたい人もいる。
肩を触りたい人もいれば、腕を貸して欲しい人もいる。」
「なので、『こうしましょう』と押し付けるのではなくて
『どうして欲しいですか』と相手の意見を聞く余裕を持って
ください」と言いました。
言われてみると、一つ一つが当たり前なのですが、
果たして自分がちゃんと出来るかというと、
疑問符のつく所があります。
障がいのあるなしに拘らず、このような相手を思いやる気持ちを
根底に持っていれば、自然と心地よいガイドができますね。
こういう生の意見を聞けたことは貴重な体験でした。

コメント
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言われてみれば、難しいことは一つもありませんが、自分がどうか?と思うと、なかなか実行出来ていない気がします。
相手の意見を聞く余裕を持つこと。なんに於いても必要なことですね!
貴重な体験のシェア、ありがとうございます!
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私は実は今まで障がいのある人と交流する機会が、全く
ありませんでした。それが、あるボランティア活動を
きっかけとして、このような生の声を聞くことができて
人生の幅が広がったような実感がありますし、これからは
積極的にガイドをしてあげたいとも思っています。
このお話をしてくれたのは、和太鼓奏者の好青年です。
彼についてもブログで紹介しています。
すごく感性が豊かで、そしてユーモアあふれる
素敵な人です。
いつか彼の演奏する和太鼓を聴きたいですね。